CRISPR遺伝子

インフルエンザ大流行です。

現在埼玉県は日本一で、その中でも戸田市1位、さいたま市2位のようです。

どうりで忙しいわけだ。

 

先週の日曜は戸田市の休日診療所の当番でしたが、患者数155人で、インフルエンザ検査したのが120名、陽性が70人というすさまじい数字でした。

 

遺伝子領域は興味をもってよく最新研究を追いかけているのですが、ここ数年程とんでもない大進歩があったことを見逃していました。

 

その名はCRISPR(Clusutered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)遺伝子です。この遺伝子は短い回文(前から読んでも後ろから読んでも同じ配列=Short Palindromic)状の遺伝子の繰り返し(=Repeats)に規則的に挟まれた(=Rergularly Interspaced)断片化した(=Clustersd)遺伝子のことです。

 

もともと細菌がウィルス感染から自己を守るためにウィルスの遺伝子の一部を細菌内遺伝子に取り込んでおいて、次に感染した時にそれをRNA発現しマーカーとしてウィルス遺伝子を選択的に切断し破壊するという獲得免疫機構です。これを研究していたジェニファー・ダウドナ博士らが、研究応用により一般的な生物全種のDNAの任意の場所を認識して切断したり、外来遺伝子を切断部位に挿入したりする方法として確立しました。

 

従来の方法に比べて約600分の1の安価で遺伝子編集ができることや、方法もシンプルなので今や高校生でもできる手技といわれています。キットはAmazonでも取りあつかっていますよ!

 

マウスやイヌ、サル、ブタなどの実験では相当高い確率で遺伝子発現が得られています。

例えば遺伝子に介入し筋肉の異常に発達したマウスやイヌといった漫画のようなものや、15キロほどの愛玩用ミニチュアピッグ、角の生えない牛などが実際に作成されています。

 

昆虫にも応用されていて、マラリアに耐性を持つ蚊も実際作られているようです。

 

さて問題は、ヒトへの応用です。

現在単一遺伝子変異でおこる疾患が7000以上知られています。例えば鎌状赤血球症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ハンチントン舞踏病、嚢胞性繊維症、先天性白内障などです。これらの発症臓器(脳とか肺とか筋肉とか)に遺伝子を改良して送り込めれば究極の治療法になりうるのではといわれています。これは体細胞への遺伝子治療なので次世代への遺伝は起きません。

 

受精したての胚細胞に遺伝子が導入できれば単遺伝子異常によりおこる病気は防げることになります。

 

もっとも身長や美しさ、知能、音楽の才能など多因子で支配されているものには適用されません。

 

CRISPR応用により究極のデザイナー人間を作れる可能性があります。例えば腋臭や耳垢の乾湿などは単因子支配ですし、怖がり遺伝子も好きなように改変できます。将来の病気になりやすさも遺伝子を変えることにより100%ではないとしても改良できます。

 

いまのところ、倫理基準としては遺伝子に永久に組み込まれることになるヒト胚細胞(=次の世代に遺伝子が受け継がれるということ)への研究は厳しく管理されている国が多いのですが、すでに中国の四川大学から2016年にヒト胚細胞への導入実験が報告されています。今の技術では遺伝子発現率は5%程度と低く、他の遺伝領域への誤導入も多く認められたようですぐには臨床応用することは難しそうです。しかし実験が許可されればいずれはブレークスルーが起き、実現可能が技術は開発されるものです。

 

日本ではiPS細胞ばかりが注目されていますが、CRISPRについても倫理基準を示すことが喫緊の課題でしょう。なんたって高校生でもできる技術なのですから。

 

遺伝子領域の研究は当分目が離せそうにありません。


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