戸田の杜クリニック 院長&スタッフブログ

慢性頭痛について

日に日に秋めいてきました。特に朝の清々しさはいいですね。

今日は頭痛、とくに慢性頭痛についての話です。

頭痛、つらいですよね。風邪や蓄膿症などで短期的になるだけでも何とかしてくれ・・・という感じなのにこれが慢性化して通院される方は結構います。

慢性頭痛は大きく次の3つに分類されます。1.片頭痛、2.緊張型頭痛、3.群発頭痛です。

片頭痛は典型的には頭の片側が脈打つように痛みます。月に数回~10回、吐き気を伴うことがしばしばです。目の前がチカチカ、ギザギザするという閃輝暗点を前兆とすることが数10%あります。発作中は光や音に過敏になることが多いです。病態は後で述べますが、基本的には血管の拡張による痛みなので、運動して血流が増えると症状が悪化します。

緊張型頭痛は、首から肩の血流障害により筋肉内に乳酸やプロスタグランジンなどの疲労・疼痛誘発物質が溜まることによりおこります。ほとんど毎日(酷くはないが締め付けられるよな)頭痛を感じ、同時に肩や首の懲りも自覚します。ふわふわとしためまい感を感じることもあります。血流障害がベースなのでマッサージや運動すると症状が緩和します。

群発頭痛は年に1~2回、数週間~1か月ほど続く片側の奥が強く痛み、目の充血や涙を伴うことが多いタイプです。痛みのためじっとしていられないことが多いです。内頚動脈という太い血管がが頭蓋骨を貫通する部位(目の奥)で拡張し骨との間で神経が圧迫するため頭痛と眼症状がおこるといわれています。

近年、片頭痛の病態が少しずつ解明されつつあります。セロトニンという脳内ではストレスに対抗し盛んに活動しているホルモンがあります。ストレスや月経前後、気圧や温度などの環境変化によってセロトニンは大量に消費されるのですが、これが枯渇するとそれまで制御されていた三叉神経(顔面や舌などの感覚神経)からカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が放出されます。CGRPは周囲の血管を拡張させ血管の進展痛(ズキンズキン)をおこし、さらに過大な血流のため炎症を起こし疼痛物質のプロスタグランジンが血管外に漏出し痛みを修飾させるのです。

片頭痛の特効薬のイミグラン、マクサルト、ゾーミッグ、レルパックス、アマージなどは血管の拡張を抑えることにより片頭痛を治療する薬です。一方鎮痛解熱薬のバファリン、ロキソプロフェンなどはプロスタグランジンを抑える薬ですが血管拡張は変わらないので根本治療ではありません。

また特効薬を飲みすぎるとCGRPが必要以上に減少するため、その受容体数が多くなりかえって少しのCGRPに反応しやすくなり頭痛の頻度が増えてしまうことになります。

近年CGRPのモノクローナル抗体が開発され、日本でも現在治験中です。片頭痛の魔法の薬になるといいなと思います。