戸田の杜クリニック 院長&スタッフブログ

腸内細菌の話

 

猛暑ではなくなったけど、蒸し暑いですね。

日本各地で大雨の災害が多発しています。

今後地球温暖化が進むと、こういった被害に拍車がかかりそうで恐ろしい。

800hPaレベルの超大型台風の襲来ががそろそろ現実的な話になってきました。

 

我々の身体には100兆個の細菌が暮らしています。皮膚にも結構いますがその多くが腸内細菌です。

一方人体の細胞数は60兆(最近では37兆という説も発表されています)にすぎません。

これまで腸内細菌は腸内から出た酸素のある環境ではうまく培養する事ができず、ごく一部の培養可能な菌群や下痢として出てくる病原性細菌などしか十分に解明されていませんでした。

 

20世紀末から始まった遺伝子解析の急激な進歩により、腸内細菌もその多様性が分かり始め、身体との驚くべき相関が解明されようとしています。それによると細菌の種類は西欧型生活するヒトで1200種、前近代的な暮らしをする先住民で1600種もあるようです。

 

この400種類の菌種の減少は多様性の低下として捉えられます。減った菌種の多くは善玉菌として考えられるものです。原因としては

1.工業化された加工食品の摂取の増加

2.抗生物質の乱用(短期間の使用でも劇的にバイオータは乱れます)

3.帝王切開の増加(母親から出生時に有用な菌を貰えない)

4.母乳保育の現象(母乳にはマイクロバイオータを健全に育てる有用な物質が多く含まれ、人工乳にはそれがない)

などがあげられます。

 

腸内の微生物相をマイクロバイオータと呼びます。

このマイクロバイオータががん、糖尿病、アレルギー、喘息、自閉症、肥満、炎症性腸疾患など現代病と呼ばれるものに対し重要な役割を果たしている子が次々とわかってきました。

 

さらには、マイクロバイオータがつくる物質は、中枢神経系と連絡し気分や行動にも影響を与えていることも解明されつつあります。ちびまる子ちゃんに出てくる胃腸の弱い山根君の表情を思い浮かべるとなんとなく想像がつきますね。

 

マイクロバイオータの多様性が減少するといろいろな弊害が出てくるようです。

1.免疫の過反応(つまりアレルギーや自己免疫性疾患)をおこしやすくなる

  マイクロバイオータの整った腸内環境では免疫細胞の暴走を抑制するリンパ球のうちの制御性T細胞が過剰な免疫反応を抑えています。

2.自然免疫機能が低下する

  つまりがんや感染症に対抗する抵抗力が下がるということです。

3.肥満しやすくなる

  

では、マイクロバイオータの多様性を保つためにはどのような事ができるのでしょうか?

1.発酵食品をたくさん摂取する

 ヨーグルト、納豆、キムチ、ピクルス、ザワークラフトなどの発酵食品には数十億個の生菌が含まれています。これらの生菌はずっと腸内にとどまるわけではないのですが腸内細菌に働きかけ善玉菌かつ多様性の維持に貢献するようです。いい腸内環境のためにはしょっちゅう食べないといけないようです。

 

2.マイクロバイオータにいい餌をあげる

 いい餌になるのは食物繊維です。つまり果物、野菜、豆類、キノコ、全粒穀物のような複合炭水化物などです。工業製品化されたブドウ糖、果糖などはすぐ体内に吸収されてしまい腸内細菌の餌にはなりません。

 

3.便の形状を確認する

 マイクロバイオータは個人差が大きいのでどの食品が合うかも個人差があるようです。ヨーグルト一つとっても自分にあった品種を探すようにしてください。自分に合った菌種であれば滑らかな便が出て、柔らかくするすると降りてきて途中で割れずに長い蛇のように排泄されます。途中で割れる便は便秘がちと考えていいです。便器の水がはねないような便の場合健康な腸内環境です。

 

4.不必要な抗生物質を避ける

 

5.工業化された食品はなるべく避ける

 

明日からでも便チェックして、健康な腸内マイクロバイオータであるかのチェックをしてみてください。