戸田の杜クリニック 院長&スタッフブログ

新型コロナウィルス

今年は暖冬のためか例年のようなインフルエンザの爆発的流行は起きてきませんね。早くも患者数の現象が報告されています。例年今頃流行りだすB型もとても少ないです。

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウィルス感染症の拡大が止まりません。もともとコロナウィルスは一般的な冬の風邪ウィルスの一つで、原因ウィルスとしては10~20%で鼻かぜで有名なライノウィルスの40%に次ぐ2番目のポピュラーなものです。大きさは約0.1ミクロン弱で、王様の冠を被ったような形をしているのでコロナという名前が付けられました。症状としてはのど鼻咳といったいわゆる風邪症状で普通は肺炎に移行することはありません。

このウィルスの変異したものが、SARS,MARSと立て続けに一定の死者をだして局地的に流行したので一躍有名になりました。この時は発症者はたちまち重症になったので感染経路が同定しやすく比較的早期に感染はコントロールできました。

今回の新型コロナウィルスは死者はすでに1000人に迫り、SARSを凌いでいます。症状が出るまでの潜伏期間が5~12日と長く、しかも初めの症状は普通の軽症の風邪と同じで1週間くらいして熱や呼吸状態が悪くなってくるというのが重症例のパターンのようです。これでは受診時に見分けがつきませんね。

今のところ普通の風邪と同じでインフルエンザのような特効薬はありません。予防しかないわけです。

感染は飛沫と接触によるものなのですが、予防には僕が前から言っているようにマスクはたとえ最強と言われるN95タイプのものであっても効果はありません。マスクのフィルターのすき間は0.3ミクロンでウィルスはその1/3の大きさなのですから。自分が感染者で咳をしている場合くしゃみの唾にくっついたウィルスが飛び散るのを防ぐ効果はあります。なんといっても予防は手洗い・うがいで物理的にウィルスの侵入を防ぐこととアルコール消毒です。コロナウィルスはインフルエンザウィルス同様エンベロープと呼ばれる膜に包まれていますが、これはアルコールに対し極めて脆弱です。僕がインフルエンザにかからないのは患者さんを診察するたびに手と顔面をアルコール消毒しているからです。

昨夜のNHKのコロナウィルスの特集番組でも予防のためのマスクの話はでませんでした。マスコミもようやく科学に追い付いてきたようです。でも自分が咳をしているときはちゃんとマスクしましょうね。

新型コロナの問題点は無症状の感染者が多いことと、潜伏期間でも感染力があるらしいということです。これでは感染の広がりを防ぐことはまず無理です。今のところは人ごみに出ない、手洗いうがい消毒をちゃんとするといった方法しかないです。最新のデータでは死亡率は武漢市内で4%、中国全体で0.8%と当初のものよりは高くなく、不顕性感染者が多いことを鑑みると実はもっともっと危険率は低いのではないかと思っています。武漢の死亡者の70%くらいが慢性疾患を持っている人なので、健康人はあまりにも恐れる必要なないのでは?

いすれにせよ、はやく特効薬が見つかることと感染が鎮まることを願うのみです。