戸田の杜クリニック 院長&スタッフブログ

和を以て貴しとなす:同調圧力

日本の教育は幼児期からまず周囲の皆と歩調を合わせて協調的に生活することを求めます。農耕民族としての助け合って生きる生活習慣がそのまま近代・現代になっても継続しており、聖徳太子が唱えた「和を以て貴しとなす」の精神が綿々と続いています。長い物には巻かれろ、ですね。

僕は小さいころからなんでも人と違うこと良しとする性格だったので、通信簿では毎回のように「協調性がない」と書かれ続けてきたことはこれまでに何度か書きました。

みなと仲良くすることはいいことだとは思うのですが、お互いの顔色をうかがうような同調圧力は「空気を読む」という言葉に表れています。一方、英語ではこれにふさわしい表現はなく、read between the lines(行間を読む)とかtake a hint(気を利かせる)、とかgo with the flow(流れに従う)とかの表現しか見当たりません。空気を読む文化は日本独特のものなのです。

同調圧力は表現の自由を奪います。当然のことながら他者の尊厳や人権を慮ったうえでという制限は付きますが、言いたいことああっても声を大きくして言うと自分だけでなく家族までもが攻撃対象になってしまう世情があります。報道の自由度という国際的な尺度でも日本は67位で先進国の中では最低ランクで隣国の韓国よりも下位です。

同じ方向を向いて、同じように行動していると、高度成長期のように右上がりの時代はいいのでしょうが2000年以降の日本のように長期停滞になると何らかのブレークスルーが必要になってきます。

2002年には国民一人当たりのGDPは世界4位でしたが今や30位前後まで落ちており、これまた韓国にも抜かれています。日本以外の国では平均所得も緩やかながら右上がりなのに対し、日本はここ30年全く上がっていません。正規雇用の人は給与は結構上がったものの、非正規雇用の人が増えた分平均すると上がっていないのです。普通の国なら革命モノでは?

今はコロナ禍でストップしていますが、その直前まで外国人観光客が押し寄せていたのはそれだけ日本の旅行が世界の中でも割安になったからという理由が大きいと思います。日本のホスピタリティーとか文化とかはそれ以前とそんなに変わっていないわけだから。

ただでさえ人口減少社会で経済規模が小さくなっていくのに、なんとかして「出る杭」をいい方向に育てないと日本は皆で沈んでいくタイタニックになりかねません。

改革のための根本は教育をそういう方向に変えていくことが求められるわけですが、入試のやり方を見ている限り最高学府の大学ですら、まったく未来を切り開く人材を獲得し育てるというやり方をしているようには感じません。私学では少子化で経営的に生き抜くことを優先し、学生確保のため各種入学方法を取り入れ、結果として多くの質の低い学生の入学をもたらしていることは確かです。翌日すぐ結果が出るようなマークシート試験で何億もの利益を出している大学は決して少なくありません。

高校での社会貢献の実績を評価したり、長い面接で生徒の学力と人物評価を行うという手間暇をかけないと真に優秀な人材は見抜けない。またそういう評価方法で進んでいかないと高校以下も変化を起こしずらい。

日本からビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのような世界経済を転換させるような起業のできる人材を作り出すことが求められていると思います。